とても素敵なピアノとチェロの
デュオリサイタルを聴きました。
チェロは川上徹さん。
一曲目の愛の挨拶の最初のフレーズが
弾かれた瞬間から、その優しさに
惹きつけられました。 最初から涙が出そうなので、
この先どうなるのか心配しました^^
それはチェロという楽器の領域を超えて、
まるで歌手のように自然な歌声でした。
ピアノの小島裕子さんは
とても美しくエレガントな
素敵な方でした。
シューマンの詩人の恋では
小島さんの朗読と
ドラマティックなそのピアノ演奏と
リート(ドイツ歌曲)を歌うような
チェロと共に堪能しました。
私も歌曲が大好きですが、
落ち着いたバリトンの声域は
やはり良いですね。
雰囲気の良いサロンでお二人のお話も
入れながらのコンサート。
その中のひとつ。
ロシアの偉大なピアニストで作曲家の
ラフマニノフがチェロソナタを書いたのに、
なぜヴァイオリンソナタを書かなかったのですかと、
あるヴァイオリニストが尋ねると、
”チェロというものがあるのに、
なぜ書かなくてはならないのかね。”
と答えたそうです。
ラフマニノフの気持ちも理解できそうです。
川上さんのチェロは表面的ではない
優しさと力強さを備えて
音楽そのもの。
希少な本物の芸術家。
演技するのではなく、
その人物を生きるという、
欧米の何人かの
俳優さんたちを思い起こしました。
Erika