ガット弦は羊の腸からつくられる
束ねて撚って
以前から巻きガットといわれるガットの芯線をアルミやシルバーの金属で巻いたものを使っていました。
でもヴァイオリンの4本の弦のうち、一番高い音のE線といわれる細い弦だけは、そのような巻いてあるものが作られていないようでした。ですのでスチールの弦を使っていました。
でもE線もガット弦を試してみたいと思うようになりました。
何も巻かれていない裸ガットといわれるもので す。
生ガットっていう人もいるみたいなのですが、お店によっては”うちは肉屋じゃないから、そんな生ものは置いていないよ” と言われるそうです^ ^
まず、初めてそのパッケージを見て愕然。
そうめんかスパゲティみたい、、いつもの弦には先端に取付るためのループがついているのに、これには何もない。どうやってつけようか。
ループを作るところからしなくては。
これはいつも使っているシルバー巻きのガット弦。このように、先端ち最初からループがついているのが当たり前のことだと思っていたけれど、誰かの手によって作っていただいていたのだ。
有り難いことだと気づいた。
はってから、かなり頑張って根気よくペグを巻いていかないと音が高くならない。バロック時代の音楽のピッチは現代よりも半音低い415Hz (ヘルツ)。
ようやく調弦できて弾いてみると透明感のある、きれいな音が出せました。ちゃんと鳴らせました。
その数日後のバッハのリハーサルでも、仲間たちからいい音と言われました。
さて、張ってから1週間。リハーサル中に、なんとそのE線が切れてしまいました。パチンと勢いよく顔を弾かれました。
やはり半音高くしているので無理があったのでしょうか。数日後の本番では、いつもの弦で弾くつもりではいましたが。それにしてもこんなに早く切れてしまうとは。
実はお店でも、張ってすぐに切れたのでした。
でもね、どんな響きなのかがわかったので良かったです。イメージがあればスチール弦でも近い音質を再現できるかもしれません。
帰宅してから、手元で音の高さの微調整ができる金属のアジャスターを今まで通り取り付けて、スチールのE線をはって、ほっとする。その便利さと安心感と、ガットと同じくらい良い音のスチール弦の有難さを改めて認識しました。